今日も長い1日を終えて、バス停に滑り込んできたバスに乗った。そして、ゆっくりと座り、車窓から赤く染まった空を眺めている。周りは、相変わらず早口で訳の分からぬドイツ語が、びゅんびゅん飛び交っている。何を話しているのだろう?夕食のことかなぁ?そんなことを考えているうちに、バスはもう家の前の停留所。あわてて降りようと思えば、となりにおばさんが座っている。これでは、下車できないと思い、こんな時私は決まって、「Entschuldigung!(すみません!)」と一言かける。そうするとおばさんは笑顔で、「Bitte(どうぞ)」とさっと立ってくれる。私はお礼を言って、気持ちよく無事に下車することができる。
前に一度、このようなことがあった。「私は、何と言えば下車できるのだろう。」と悩んでいるうちに、バスのドアが閉まりかけている。あわてて立ち上がると、となりの人は気がついてくれたが、とても嫌な顔で私のことを見ている。私は無事に下車することができたが、とても嫌な気分になった。
それではいけない!と思った私は、とにかく間違ってもいいから、一言でもいいから、声をかけよう!と決意し、挑戦してみることにした。すると、勇気を出して声をかけた時の反応と、恥ずかしがって、もじもじしている時の反応は全く違っていた。目つきの怖いレジのおばさんも、一言あいさつをすれば、ニッコリと笑ってくれる。私もニッコリ笑顔になりうれしくなる。
まだまだ、難しい会話などでは、ドイツの人たちとコミュニケーションをとることはできない。だが、一生懸命に話して、伝えようとしている気持ちは、十分相手に伝わっているのだ。日本に居た頃は、こんなに言葉が難しく、大切なものだと思わなかった。言葉に気持ちが入ることによって、はじめて言葉が伝わるのだ。これからも心と心が通じ合った会話を大切にしていきたい。 |