| 題名 |
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異星人接近中 |
| 名前 |
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茨田通章 |
| 国名 |
: |
ドイツ |
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インタビュー |
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私は来日した。「帰国」というよりも「来日」の方がしっくりする。私の所属する歌劇場が、日本公演を行ったのだ。
日本公演が決まった日から、同僚たちは不安のかたまりとなった。日本のことを何も知らないのだ。「たのみの綱」は私である。「コーヒーはあるか?」「ナイフ、フォークはあるか?」……毎日がそんな質問の嵐となった。それまでドイツでの生活にとけ込むのに一生懸命だった私だが、「これって文化的不均衡ではないか」と考えてしまった。
出発の日、見送りの家族の多くは泣いていた。涙を流して!飛行機に乗り込む時、ある同僚は「宇宙に飛び立つスペースシャトルに向かう気持ち」だったそうである。彼らにとって日本人は、ほとんど異星人であるらしい。
すべての不安は杞憂だった。日本に着いた初日こそ「金魚のフン」のように私にくっついていた同僚たちも、次の日からはラーメンや回転寿司を、自分たちだけで楽しむようになった。公演の合間をぬって訪れた温泉では、私の心配もよそに混浴露天風呂で大はしゃぎ。スーパーでリンゴをただでもらったり、寺の座敷にあげてもらいお茶をごちそうになったり、よほどうれしいのか一々私に報告してくれる。皆一様に言うのは「日本人の親切さ」である。「ヨーロッパ人はエゴイスト。日本人を見習うべきだ。」と言う人もいた。それらの全部が、本当の日本人の姿だとは思えないが、悪い気はしない。
公演も大成功に終わり、ドイツに戻ってきてからも、うれしいことがあった。「オハヨーゴザイマース!」多くの同僚が日本語であいさつをしてくれるようになったのだ。そこで私もドイツ語だけでなく、それぞれの母国語であいさつを返すことにした。ハンガリー語、ルーマニア語、ブルガリア語……母国語であいさつされると、皆満面の笑顔である。日本語であいさつされるとき、私も同じような笑顔に違いない。 |