題名:一秒マジック

名前:衣笠美智子さん 15歳 

国名:ベルギー

  ある日の学校からの帰り道、角を曲がると向こうから犬をつれたおばさんが歩いて来る。(声をかけようか…。)迷っているうちに、相手はどんどん近づいてくる。ここは一つ、勇気を出して、
「ボンジュール!」 すると、相手の人も、にっこり笑って言い返してくれた。こんな時、私は(やった)と思う。本当のところ私は、声をかけようか迷っている時に、(知らない人なんだからあいさつなんて、しなくてもいいわ。)と、思っている。しかし、それと同時に(あいさつをしないと、後でちょっといやな気分になりはしないかな。)とも考えている。
 そう、問題はすれ違った後だ。
 もし私が何も言わなかったら、その後私は何ともきまりが悪いのだ。しかし、言葉を交わした後は、心が晴ればれして、家で大声で歌っている私がいるのだ! なぜ私は歌いたくなる程に、心が弾んでしまうのか?それはおそらく、私がベルギーにいるからだろう。家から一歩外へ出れば、フランス語やフラマン語の世界が、果てしなく広がっている。ベルギーに住んでいる人と、もっと話ができたら、きっとおもしろいだろうなと、最近とてもくやしい気持ちになる。だから私は、まずあいさつをしようと心がけている。人と顔を合わせ、そして目を会わせる。「ボンジュール」の一言で、私は元気になって、自分のペースで歩いていく。  
 私はこの地で、日本にいるときは忘れていた、人の優しさとかを、あいさつによって思い出すことができたと思う。ほんの1秒なのに…。言葉を交わすことは、本当に不思議だ。




題名:友だちに教えてもらったこと

名前:國島大河さん 9歳

国名:イギリス
  イギリスに来て6ヶ月になる。ぼくが来た4月はイギリスでは3学期にあたり、運動会やディスコ大会が行われ、楽しい毎日を過ごしてきた。9月から新学期が始まり、ぼくはジュニアスクールの5年生になった。英語にも慣れて、少しなら話もできるようになった。
 ぼくには仲のよい友だちが6人いる。この友だちは、決して優等生ではない。先生に怒られてばかりの人もいる。勉強でも自信満々に答えているが、間違えていることも多い。でも、彼らは先生に叱られても、間違えても気にも留めていない様子だ。「あれ、間違えちゃったかな。」と笑いながら言っている。ぼくのように小さな失敗を気にすることがない。いつも自信を持っているように思える。ぼくは、勉強でも何でも、間違えたらどうしよう、失敗したらどうしよう、と心配ばかりしている。英語も、通じなかったらどうしよう、と思うと話せなくなってしまう。なんだか、自信が持てないのだ。
 彼らは、とてもはっきりしている。友だち同士のときはもちろん、相手が先生であろうと、おとなであろうと、自分の意見をきちんと話すことができる。彼らは自分のことをよく話す。買ってもらった洋服のこと、習い事のこと、食べ物の好き嫌いと、その話題はさまざまだ。「大河はどう思う?」とぼくにも聞いてくる。ぼくの意見についても、それぞれが自分の考えを話してくれる。また、他人の良さを素直に認めている。ぼくも、 「君は水泳がうまいね。計算も速いしね。」と、言われたことがある。この2つは、ずっと練習を続けてきたことだったので、認められてうれしかった。なんだか自信がわいてきた。
 ぼくも自信を持って自分の考えを話してみようと思う。もっと自信を持って英語を使ってみよう。他人を認め、自分も認めることで自信を持つことができる、と教えてくれた友だちに「サンキュウ」をくり返しながら。

 



------------------------ 第6回  入賞者一覧 ------------------------
一般の部 小中学生の部
[ 最優秀賞優秀賞佳作 ] [ 最優秀賞優秀賞佳作 ]
BACKHOME