題名:生きようとする意志

名前:坂部 正典さん

国名:ケニヤ

   僕達が住んでいるケニアでは、今、総人口の一〇%の金持ちが国の収入の九〇%を得ている。そして九〇%の庶民や、貧しい人が残りの一〇%を分け合って暮らしている。首都のナイロビには約八十ヵ所のスラムがあり、人口の二百万人の約半分がそのスラムに住んでいる。ナイロビで孤児院を経営している日本人女性からこの話を聞いたとき、僕はショックを受けた。自分もその一〇%の人間に入っているかと思うとガーンと来て「どうしたらいいのか」と考えてしまう。
   ボクは去年の夏休みにその女性にお願いして、孤児院に泊めてもらったり、ストリートチルドレンへの給食配りにも参加させてもらった。
   僕が訪ねた孤児院では水道、電気、ガスも無く、近くの川から水を汲み、ランプで灯かりをともし、炭で火をおこすという大変な毎日だ。しかし、皆、寮母さんと一緒に仲良く暮らし、学校にも通える。
   一方、ストリートの子達は、水道、電気はもちろんの事、家も家庭も無く、着のみ着のままで靴すらない。
   しかし、毎日嫌な事、つらい事もあるはずなのに、給食配りの時にストリートの子達が汚れた手足を洗ってもらったり、ツメを切ってもらう時の嬉しそうな笑顔は素晴らしかった。一緒に遊んだ時の目は僕らよりもずっと輝いていた。その笑顔と目の輝きから僕は彼らの「生きようとする意志」の強さを感じた。
   スラムの若者の中にはシンナーに溺れてしまう人も多いが、中には必死に生きようとしてトイレ掃除でわずかなお金を稼いだり、生ごみから肥料を作ったり、リサイクルできるものを売っている人もいる。その人達は何も無い状況の中で、今の自分に出来る事をさがして一生懸命生きているのだ。
   僕は彼らから人が生きていく上で一番大切な事を学んだ。それは、「生きようとする意志」を生活力、明日のエネルギーへと変えて、明るく、前向きに生きて行く事だ。





題名:みんなちがってみんないい

名前:福田 知早登さん

国名:アラブ首長国連邦
   今からちょうど二年前、私は日本からここドバイにやって来ました。ここに来て、私はいろいろな事におどろかされました。
   まず一つ目は、空港に入った時の事でした。最初に目にとびこんで来たのは民族衣しょうを着たアラブ人でした。男の人は皆、白いディスターシャをまとい、女の人はアバヤという黒い布を身にまとい、中には顔まですっぽり布でおおっている人もいたからです。若い女の人はきっとおしゃれをして、外を歩きたいだろうし、ドバイの真夏の四〇℃〜五〇℃の暑さの中でこのようなかっこうをしているのは大変暑いだろうなぁと思い、かれらのがまん強さに感心しました。
   次におどろいた事は、この服そうにも関係しているのですが、信こう心が強い事です。朝の五時から日に五回ぜったいにおいのりをかかしません。かれらは、たとえ公園などにいても、人目をはばかる事なく地面にひたいをつけておいのりを始めます。どこにいてもおいのりをかかさないというとても信じん深いところに、これまた感心させられました。
   そして街に出るといろいろな民族衣しょうを着た人に出会ったり様々な言葉を耳にしたりします。それは私達日本人も含め人口の約七五%が外国からの労働者によって占められているからです。そして皆、家族の為、生きる為に夏は気温五〇℃にも上るこの地で働いているのです。そして女性の数は少なく、女性や子供には大変親切です。
   ラマダンやモスクからのアザーンが聞こえるこの異国の地で私はたとえ文化、生活習慣、気候風土全てが異なろうとも、その中で皆がうまく共存しているのに接して、私の大好きな金子みすゞの詩の一節
   「みんなちがってみんないい」
   を思い出し、たがいにそんちょうしあう砂漠と太陽と青い海があるここドバイが、私は大好きになりました。

 



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