八〇〇字に切り取られた
人生の真実

一般の部

 最優秀賞は「ガーデン・フライ」だとおもった。
まだまだ閉鎖的な英国社会に入ろうとする努力、そこで発見する英国社会の気取りと機知が800字のなかにみごとに描かれている。
もはや汗と涙の駐在員時代は去ったのであり、日本の駐在員たちも新しい時代を生きつつあることを実感させる文章である。
優秀賞は「旅について」で、人間がいかに国際的に生きようとも、故郷というルーツを持たぬことには生き抜けない事実を作者は淡々としかし切実に語る。ここに描き出される高知・四万十川のなんと美しいことか。
   佳作五篇はいずれも切実な海外体験を語って棄て難い。「トルコへ嫁入りした話」や、「パリでアクロバット・ダンサーの老婆に励まされる話」「英国でトイレを探す話」いずれも僅かな枚数のなかに人生の真実を切り取っている。「オランダの牛」は古今変わらぬ日本人の嘆きだが、泣いている日本の少女を助けずに後悔する話はこれも内気な日本人の「変化」を実感させる文章である。
   榎本さんの作品は、高校生からの応募が少ない中で、フランスの家庭生活がよく描けている点を評価して、一般の部の選外佳作とした。


異国の国での頑張り
生き生きと
中学生の部

 最優秀賞については、残念ながら今一歩で、「該当者なし」としました。
中学生の皆さんも異国の地でほんとうによく頑張っているとおもいます。優秀賞の作品ですが、日本食のおにぎりがスイスで人気があるというのも面白い話で、お米より、パンの好きな皆さんもこういうことから逆にお米を見直すのではないでしょうか。


現地生活で身につけた
鋭い観察眼
小学生の部

 ドイツで暮らす小学生の皆さんも、よく現地の生活に溶けこんでいる、と感心しました。
川島君がよくドイツ人の性格やドイツ人の生活を観察していて、「日本にはまだまだ遅れている面がある」と判ったのは大変なことです。
大神君もドイツの小学校と日本の小学校を比較して、日本の小学校の教育に少しギモンを持ったようです。
両方ともおなじくらいよくできていますが、日本人学校のないライプチヒで頑張っている大神君の陰の苦労をおもって一位にしました。



たくさんのご応募ありがとうございました。

 JAL欧州線開設35周年記念コンテストへのたくさんのご応募ありがとうございました。フォト部門1,160点、水彩 絵画部門179点、エッセイ部門312点の作品の応募をいただきました。いずれも皆様の作品に対する意気込みが感じられる力作ぞろいで、選考では審査員の先生方も大変ご苦労された様子です。そのようなレベルの高い作品群の中から、選ばれた作品をご紹介します。
 日本航空は欧州開設35周年という節目を越え、これからも皆様により良いサービスを提供できますよう、さらに努めてまいります。皆様のJAL便のご利用をおまちしております。


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